2010年5月号  月刊廃棄物
2010年5月号月刊廃棄物

生ごみの自家処理で年間593・63sのCO2削減に
-NPO法人生ごみリサイクル全国ネットワークが試算-

 NPO法人生ごみリサイクル全国ネットワークはこのほど、(財)日本土壌協会会長の松本聰氏から提供を受けたデータを基に、生ごみの単独焼却と比べて、生ごみの自家処理は「4人家族で
年問593.63kgものCO2排出削減効果がある」との試算結果を明らかにした。試算ではまず、
「平成9年度省エネルギー優秀事例全国大会資料」((財)省エネルギーセンター)で公表されて
いるデータを用いて生ごみ焼却に係るCO2排出量を割り出した。標準生ごみ1tを単独で焼却
させた場合のC02排出量の内訳を、@運搬に要する燃料からの排出15.9s、A焼却に要する
燃料からの排出1979s、B生ごみが燃焼する際の放出56・4s、としこの3つを合計すると、
生ごみ1tの焼却で2051.3sのCO2が発生していることとなる。 一方、同質の生ごみ1tを、
バイオ型生ごみ処理機を使ってオンサイトで堆肥化した場合のCO2排出量を約161s(※本誌2010年4月号「生ごみリサイクルのゆくえ」、松本氏の報告を参照)とすると、バイオ型生ごみ
処理機と比べて、生ごみの焼却は約13倍(2051/161)ものCO2を放出することになる。
 同ネットワーク事務局では今回、これらのデータを根拠に、継続して生ごみを自家処理して
いる家庭が削減したCO2量を計算した。4人家族の一般家庭が1日に排出する平均生ごみ重量を
約800gとすると、年問の排出量は292kg(0.8*365日)となる。これをそのまま可燃ごみとして
焼却した場合のCO2排出量292×2.051で598・892kg。一方、自家処理(電動式生ごみ処理機を使わずコンポスト容器を使用、あるいは直接土へ還す。この場合、腐敗させないことが条件)を
した場合のC02排出量は292×0.018で5.256sとなる。差引き(598.892-5.256)kgすると、
生ごみの自家処理で、年問593.63sのC02が削減される計算になる。事務局では、環境省が公表
している地球温暖化対策の取り組み例と比較し、「生ごみを焼却に出さないことが、いかに
低炭素化社会にふさわしいかが定量的に検証されたことは意義深い」としている。